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固まらない石けんの原因

手作り石けんが固まらない理由

長く石けんを作っていると、石けんがドロドロのまま固まらないという経験をしたことが一度はあるはずです。せっかく作った石けんがいつまで経っても固まらず、泣く泣く廃棄したという話はよく聞きます。固まらない石けんの要因は、温度や保管状態など様々なことが関係していますが、そういった知識や防止策を知っておくだけで石けん作りの失敗を回避することができるでしょう。
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目次

未鹸化状態での型入れ

オイルと苛性ソーダ水を混ぜ合わせ、トレースが出てから丸一日かけて鹸化の反応はゆっくり進みます。ところが鹸化がしっかり始まっていない状態で型入れをすると、いつまで経っても固まらないことがあります。トレースが出るまでに時間がかかるオイルを使う場合でも、しっかりトレースが出たことを確認してから型入れをすることで回避できます。
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ジェル化後、固まらない石けん

石けんが固まらない原因で最も多いのが、型入れ後、ジェル化した石けんが数日経っても固まらないという状態です。これは「過冷却」という現象ですが、石けんで使用するオイルの温度が凝固点(固まり始める温度)より下がっても固まらならい状態のことを指します。オイルが固まり始める時には、液体の中にできる核を中心に個体結晶化が進むのですが、通常の速度よりもゆっくり温度が下がった場合、核が形成されにくく、個体化しないことがあります。

通常、保温中にジェル化した石けんは、鹸化し終えると温度が下がり個体になります。鹸化が終わるまでしっかり保温をした状態であれば、急激に温度が下がることもなく時間をかけてゆっくり下がっていきます。ところが保水性の高いオプショナル素材を使う時や水分量の割合が多い時、固まりにくい脂肪酸を含むオイル、冷却速度などの条件が重なることで、石けんの生地が個体にならず、ジェル化したままの半透明の液体の状態を保ってしまうのです。

ジェル化後、固まらなかった場合の対処法

ジェル化後、数日経っても固まらなかった場合の石けんの対処法は、型ごと冷蔵庫に入れて冷やし固めることです。冷蔵庫で過冷却の限界点よりもさらに冷やすことで石けんは固まります。室温では固形であることが普通の状態のため、いったん低温で固まると、室温に戻しても液体状に戻ることはありません。固まった後は、通常どおり型出しの段階へ進めます。
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過冷却の防止策

石けんはジェル化した方がいいと一般的に言われますが、固まらない石けんのほとんどがジェル化後に起こっています。ジェル化とは石けんの液晶化現象のことで、型入れ後にゼリーのように透明感が出てから、固まっていくことを指し、鹸化反応中に40度前後の保温状態を保つことで起こります。最適な状態で鹸化を終えたジェル化石けんは、ジェル化しなかった石けんと比較すると、分子がキレイに整列した状態になっていることが分かっています。ジェル化させた石けんは溶け崩れが少なく、マイルドな使い心地の上質な石けんに仕上がると言われていますが、透明っぽい石けんに仕上がるため、デザイン石けんなどで色をキレイに出したい場合は、ジェル化しないように保温する傾向にあるようです。

このように上質な石けんに仕上がるジェル化ですが、過冷却を起こしそうな条件の材料を使う際には、ジェル化しないよう保温する際の温度を上げ過ぎないように保管するのも一つの手です。

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