手作り石けんを始めると、必ずぶつかるのが数々の失敗。ときにはジェル化後の石けん生地が固まらなかったり、分離してしまったり。気温や湿度のほか、使うオイルやオプション素材によっても失敗は起こります。ソーパーさんが一度は悩むであろうソーダ灰も失敗の一つに分類されます。型入れ後、しばらくは問題なかったはずの石けん生地が、気が付くと石けん表面全体に粉が掛かったようになり、見た目に決してキレイとは言えない上に、安全面でも気になります。ソーダ灰がどのように起こるのか、その仕組みや対処法などもご紹介していきます。
目次
ソーダ灰ができる理由と安全面
型入れした石けんを保温箱に入れた後、外気に触れて一気に温度が下がるとソーダ灰がつきます。冬期間など寒い時期の場合は、保温箱を途中で開けてしまうことで、二酸化炭素と結合してソーダ灰になります。自然にしっかり温度が下がった場合は、ソーダ灰はつきにくいです。また、鹸化反応が遅いと、二酸化炭素と反応しやすくなるため、型入れ後はしっかり温度を上げる必要があります。
ソーダ灰は、石けん粉なので、そのまま使っても問題はありません。ただ見た目が悪くなってしまうため、人へのプレゼントや販売をする石けんの場合はソーダ灰がつかないよう、十分に注意しましょう。
ソーダ灰を回避する対策
しっかり鹸化を促すために、トレースが出てから更に10分はしっかり混ぜる。
鹸化が進んでいない場合、二酸化炭素と結合しやすいため、鹸化を促すためにしっかり混ぜておく必要があります。慣れてくるとトレースが出るとささっと型入れに移ってしまうことが多々ありますが、必ずトレース後10分は混ぜるようにしましょう。
型入れ後、ラップをかける。
二酸化炭素と結びつくことによってソーダ灰ができるので、空気が入りにくい環境にすることが重要です。石けん表面が平らな場合、ぴったりラップをつけるのも有効なようです。
保温をしっかりするために、保温箱に約50度のお湯を入れたペットボトルを一緒に入れる。
しっかり保温して鹸化を促すことで、ソーダ灰がつくのを防ぎます。
保温中は絶対に蓋を開けない。
鹸化反応中に、外気などに触れ温度が一気に下がることで、ソーダ灰はできます。そのため、少なくとも丸1日は蓋を開けないようにすることが重要です。
型出し時期を早めない。
型入れ後、丸一日かけて温度が上がりますが、さらに鹸化反応は1週間ほど続きます。ある程度固まったからといって3~4日ほどで型出しとカットをしないようにしましょう。早めの型出しはソーダ灰の元になります。目安は1週間ですが、遅めに型出しすることでソーダ灰も防げます。
アルコールを吹きかける。
型入れ時に表面にアルコールを吹きかけることで、ソーダ灰がつくのを防ぎます。カット後に軽くアルコールを吹きかけるのも有効なようです。アクリルモールド型はアルコールで型が傷んでしまうため、注意しましょう。
オプション素材を多く入れすぎない。
オプション素材を多く入れることで、鹸化反応が遅れることがあるようです。ソーダ灰が出やすい冬期間などは特に注意しましょう。
ソーダ灰が出来てしまった時の対処法
熱湯やアイロンなどのスチームをかけて、ソーダ灰を溶かしてからゆっくり拭き取る。
石けんの表面が平らな場合は、定規などで表面を削り取る。