手作り石けんを作っていると市販の石けんよりも硬さが足りないなと感じることがあると思います。なかなかトレースができなくて苦労したり、出来上がった石けんも柔らかすぎてしまったり。手作り石けんで硬さを出すのはなかなか難しいことですよね。そこで手作り石けんを硬くするのに便利なのが「ミリスチン酸」です。ミリスチン酸を使用することで手作り石けんのとれーすが早くできたり、硬さのちょうど良い石けんを作ることができます。
目次
ミリスチン酸とはどんなもの?
ミリスチン酸といきなり言われても一体どんなものなのか検討もつかない方もいるのではないでしょうか。ミリスチン酸とは動物性や植物性の脂肪含まれている飽和脂肪酸のことです。ヤシ油やパーム油に多く含まれています。手作り石けんの素材として使用するとトレースが早くできて固まりやすく、硬めの石けんを作ることができます。また、泡の性質、洗浄力が優れているので穏やかな泡立ちで洗浄性に優れた石けんになります。また、融点が53.9度と高いので溶けにくく崩れにくい石けんになります。保湿効果もあり、潤滑剤、増粘剤、安定剤としても使われています。化粧品にも使用されることのある成分です。
ミリスチン酸を使った石けんのレシピ
手作り石けんにミリスチン酸を使用する時はオイル量の10パーセントまでとします。融点の高いオイルと一緒に溶かして入れます。ステアリン酸を多く含むオイルをたくさん配合する時は使用しないほうが良いでしょう。ミリスチン酸を使った石けんのレシピをご紹介します。
【材料】
・オリーブオイル・・・270g
・パーム油・・・45g
・パーム核油・・・45g
・ヒマシ油・・・25g
・ミリスチン酸・・・15g
・精製水
・苛性ソーダ
【作り方】
①ミリスチン酸をパーム油と合わせて電子レンジで加熱して溶かし混ぜ合わせる(ミリスチン酸の融点は59.3度なのでそれ以上の温度が必要です。)
②他のオイルも50度に湯せんしながら混ぜ合わせ、①のパーム油も入れて混ぜ合わせる。
③苛性ソーダと精製水を混ぜて苛性ソーダ水を作って①のオイルと混ぜ、トレースができるまで攪拌する
④トレースが出てきたら型に流し入れる
⑤型ごと箱などに入れて保温して1日寝かせる
⑥型から出してカットし、1ヶ月ほど乾燥させて完成です。
手作り石けんにミリスチン酸を入れる時はいつもよりトレースが早くできやすいので攪拌している時は混ぜすぎないように注意しましょう。
ミリスチン酸を上手に使って石けんを作ろう
ミリスチン酸を使うことによって溶けにくい硬さのある泡立ちの良い石けんを作ることができます。夏など、石けんがドロドロになってしまいやすい季節にミリスチン酸を取り入れると良いかもしれませんね。ミリスチン酸を入れることでトレースができるのも早くなるので攪拌時間の短縮にもなります。手作り石鹸で大変なのは攪拌時間が長いこと。けっこうな長時間攪拌していないといけないので疲れてしまいますが、ミリスチン酸を入れることで石けん作りが少し楽になりますね。しかし、トレースのできるのが早いので石けん作りを失敗してしまうという難点もあります。ミリスチン酸を使用する時は配合量や攪拌時間に注意が必要です。