出来上がった石けんを溶かして違うデザインなどに作り替えることを「リバッチ法」と呼びます。作った石けんの仕上がりに満足がいかなかった場合や、多く作ったけれど余ってしまい、他の石けんを作りたい場合などによく利用されます。通常のコールドプロセス法の石けん作りとは異なり、鹸化させる必要はないため、すぐに使えるのが魅力です。
目次
材料や道具
固形石けん
水分(石けんの20%)出来上がってから間もない石けんの場合は水分を控える
食塩(石けんの1%)
オプショナル素材
エッセンシャルオイル(精油)や色材
手順
① リバッチしたい石けんを細かく切る。
包丁で小さくカットするだけでもいいですが、ピーラーやスライサーを使って薄くした方が速く溶けます。ある程度、包丁で切ってからフードプロセッサーにかけるのも一つの手です。
② 削った石けんと食塩、水分、クレイなどの色材をビニール袋に入れ、輪ゴムなどで口を縛る。
数色の色を作りたい場合は、石けんを複数の袋に分け、色材を入れます。熱に弱いハーブなどのオプショナル素材は後入れがおススメです。ビニール袋の中に空気が入らないようにしっかり抜いてから口を縛ります。空気を抜く際に、袋を揉んでしまうと泡立ってしまうため、軽く押しながら抜くようにします。
③ 鍋で熱湯を沸かし、沸騰後に火を止め、30分間湯煎する。
湯の温度が下がらないよう、保温性のある鍋がおススメです。ない場合は、途中で温度がさがてきたら、一旦、石けんの入ったビニール袋を鍋から出して、お湯を沸騰し直します。湯煎時はビニール袋の中にお湯が入らないよう、しっかり口を縛っておきましょう。
④ 袋を揉んでよく混ぜる。
30分湯煎したら、ビニール袋を取り出し、ビニール袋の上から石けんをよく揉んで混ぜます。湯煎後はかなり熱くなっているため、ざるなどに流して取り出します。複数のビニール袋がある場合は、使うものから順番に取り出します。揉む時は火傷をしないよう、タオルの上から揉むようにします。塊がないようであれば出来上がりです。熱いうちに型入れをする必要があるため、手早く揉みましょう。エッセンシャルオイルや後入れのオプショナル素材などがある場合は、加えてからさらに揉みます。
⑤ 型入れ
ビニール袋を開け、型に出します。表面などはスプーンで調整するようにします。分けておいたビニール袋の石けんを重ねる場合は、順番に鍋から取り出して使います。
⑥ 型出し
半日ほどで完全に冷めたら、すぐに型出しが可能です。カットして乾燥させましょう。
注意点やコツ
原料として使う元の石けんの脂肪酸組成やオプショナル素材によっても、熱を加えたときの柔らかさや、型入れする時の固まりやすさなどが異なります。
溶かすのに時間が掛かる上に、すぐに固まってしまうと型入れがしづらいため、少量ずつリバッチするのがおススメです。
石けんの上にデコレーションをする場合など、少量で使用する際にリバッチ法はおススメです。デコレーションで利用したい際には、口金しやすい硬さまで溶かして使うと良いでしょう。
元の石けんが新しい場合は、石けんに含まれる水分量が多いため、加える水分の量を少なくするなど調整が必要になります。水分量が多いと泡立ってしまったり、型入れ後に縮み幅が多くなるため注意が必要です。