手作り石けんの基本をマスターし、石けんの作り方にも慣れてきたら、今度は海外のオイルではなく、日本ならではのオイルをその材料に加えてみましょう。
米ぬか油は、国産の原料から作られてきた数少ないオイルの一つです。玄米を精製するときに出る米ぬかを利用して、昭和初期から作られ、利用されてきました。米ぬかは椿油と並んで、現在化粧品の材料としても注目を浴びています。
それでは、手作り石けんの材料米ぬか油の効果と注意点についてご説明しましょう。
目次
米ぬか油の効果
米ぬか油は、手作り石けんの材料として使用すると、さっぱりとした使用感ながらも、洗い上がりはしっとりすべすべ、という肌に嬉しい手作り石けんになります。また、白い石けんが出来上がるのも特徴です。
米ぬか油は、オレイン酸が40%、リノール酸が37~38%、パルミチン酸が16%といった成分構成を持っています。オレイン酸は保湿力が高く、他の成分を肌に浸透させることを手助けする働きを持ち、リノール酸は皮脂腺を活性化させ、肌のバリア機能を守る役割があります。
米ぬか油の原料である米ぬかには、これ以外にもγ―オリザノールという自律神経を調整し、乱れを改善する働きを持つ成分が豊富に含まれています。
米ぬか油は、他のオイルと比較して、「石けんのタネ」となるトレースまでの時間が短いこともせっかちさんには嬉しい特徴でしょう。
米ぬか油のデメリット
手作り石けんの材料として米ぬか油を使用したとき、デメリットとなるのは使用した時の溶け崩れでしょう。
オレイン酸やリノール酸などの不飽和脂肪酸を多く含むオイルは、使ったときに溶け崩れしやすく、米ぬか油もその一つです。パームオイルなどの溶け崩れを防ぐ効果を持つオイルと配合して使いましょう。
また、米ぬか油は種子から抽出する他のオイルと異なり、米ぬかから抽出するため抽出がかなり難しいという性質を持っています。しかし、安価で大量生産するために溶剤抽出法により抽出されり、精製過程で高温にさらされ、酸化している可能性があります。このような米ぬか油は危険性もあるとさえ言われていますので、一番搾り、低温圧搾、未精製の米ぬか油を選ぶ必要があります。もちろん、オーガニックや無農薬であれば、なお良いといえるでしょう。
米ぬか油の鹸化価
米ぬか油の鹸化価は苛性ソーダで128~140、苛性カリで180~195です。
どのような場面で使うと効果的か
米ぬか油を材料として作られた手作り石けんは、体用、キッチン用、どんな用途にも使うことができます。
トレースを待ちきれない人にオススメ、米ぬかの手作り石けん
手作り石けんで苦労するのはやはり時間でしょう。材料を混ぜ合わせて、トレース状態にし、さらに24時間タネを寝かせて、その後1か月近く乾燥の期間が必要になります。そんな気の長い手作り石けん、トレースまでの時間が辛い!という人は、米ぬか油を材料の一つに加えてみましょう。他の植物オイルよりも若干早くトレースまで持っていけるはずです。
日本原産のオイルである米ぬか油、手作り石けんの材料として使う時にはオイルの品質に十分注意して、しっとりしたお肌を手に入れてみてください。